決勝トーナメント1回戦 まとめて

ドイツ対イングランド 4-1
1回戦屈指の好カードだったが、終わってみればドイツの圧勝。この試合の結果を見て思ったのが、両国の代表チーム以外のサッカーへのかかわり方というかアプローチの違いだ。ドイツは言わずと知れたサッカー大国であるがそれは何も歴史だけがそうさせているわけではない。EURO2000で予選リーグ敗退してから、ドイツはいくつかの改革・修正を施した。1つは育成の見直し。1990年のイタリアワールドカップで優勝した後、前述のEURO2000までは10年間、極論すると1990年のワールドカップ優勝の遺産で戦い、新たなスターがなかなか生み出せなかった。(EURO2000では当時39歳のローター・マテウスが出場していたくらい)そこから詳しくは知らないが育成方法を見直し、徐々に若い選手が活躍するようになった(私の記憶が正しければドイツサッカー協会の育成担当のえらい人は元代表マティアス・ザマーなはず<1996年のバロンドール>彼はちなみに旧東ドイツ出身)その結果、2009年のU21ヨーロッパ選手権で優勝し(以外だがこれが初優勝)、今回もその時の優勝メンバーが多く活躍している(エジルミュラーなど)。もうひとつは移民選手(二重国籍保持者)の積極的な受け入れ・スカウトである。今回の代表メンバーでもタスキ・エジル(トルコ系)、アオゴ(ナイジェリア系)、ボアテンク(ガーナ系)、ケディラ(チュニジア系)、マリン(ボスニア系)、トロホウスキ・クローゼ・ポドルスキ(ポーランド系)、ゴメス(スペイン系)、カカウ(ブラジルからの帰化選手)、と約半数はそういった選手達である。フランス・イングランド・オランダなどの第2次世界大戦の戦勝国は旧植民地出身の選手を昔から受け入れてきたが(といってもここ20年くらいの話だが)、敗戦国であるドイツにはそんなバックグラウウンド・アドバンテージがあるわけもなく、地道な努力でこういう結果を残している。ましてや中東のどっかの国みたいにお金で国籍を買ったりしているわけではない。ブンデスリーガもスペイン・イングランド・イタリアの3大リーグの影に隠れて日本ではいまいち地味な印象であるが、1試合あたりの観客動員数は世界一であるし(確か1試合平均35000人)、クラブの経営もリーグ側が厳格に格クラブの経営状況はチェックしているため、クラブの経営の安定性も抜群である。スペイン・イタリア・イングランドのチームのように借金を重ねて高額のスター選手を獲得するということももちろんない。
サッカー協会に登録しているひとの数も世界一なはずだし、ヨーロッパのサッカー大国の中では珍しく女子サッカーも強い。

こういった国の力というか総力が必然的に今回のピッチの上で出たのだと思う。

”まとめて”と思ったが、ドイツのことだけで疲れたので、他はまた後日ということで。

最後に我らが日本代表についても少し。昨晩の試合の後、夜中にも関わらずサッカー好きの友人たちに電話しまくって、しゃべりまくったのだが(深夜にも関わらず興奮した酔っ払いの話を聞いてくれたみなさんありがとう!)、惜しくもPKを外してしまった駒野選手に私が敬愛するロベルトバッジョのこの言葉を。

“PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持つものだけだ”